皆様、こんにちは。大阪市平野区の「ゆうき歯科」院長の西村裕貴です。
当院は、平野区をはじめ、近隣の東住吉区、阿倍野区、生野区など幅広いエリアにおいて、ご高齢やご病気などで通院が困難になられた方々のご自宅や施設へ伺う「訪問歯科診療」に力を入れております。
日々、地域の皆様の診療にあたり、患者様の人生に寄り添う中で、私が近年特にその重要性を実感し、当院として今後さらに積極的に取り組んでいきたいと考えているテーマがあります。 それが「病診連携(びょうしんれんけい)」、つまり「病院(とくに歯科を標榜していない病院)と地域の歯科診療所との連携」です。
本日は、なぜ私たちが病診連携を強く推し進めたいと考えているのか、その社会的背景と、ゆうき歯科が実践する独自の「四位一体診療」についてお話しさせていただきます。
1. 生活の場が変化しても「かかりつけ歯科医」による継続管理を
ご高齢の患者様や、様々な疾患を抱える患者様を長年診させていただいていると、患者様の療養される場所が、ご状態の変化によって目まぐるしく移り変わっていくのを目の当たりにします。
ご自宅(在宅)で過ごされていた方が、体調を崩されて急性期の病院に入院し、その後リハビリのために回復期病院へ転院、そしてふたたびご自宅へ戻られたり、あるいは介護施設へ入所されたりといった具合に、生活の場を行ったり来たりすることは決して珍しいことではありません。
ここで非常に重要になるのが「医療の継続性」です。内科などの全身疾患において「かかりつけの医師」が継続的に病状を把握し、病院の主治医と情報共有を行うように、実はお口の健康においても「かかりつけの歯科医師」による継続的な管理と、多職種とのコミュニケーションや引継ぎが必要不可欠なのです。
特に「入院」という環境の変化は、患者様のお口の機能に大きな影響を与えます。手術や治療による絶食期間があったり、体力低下によってご自身での歯磨きが難しくなったりすると、お口の中の衛生状態は急激に悪化し、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスクが高まります。さらに、「噛む」「飲み込む」といったお口の機能は、使わない期間が少し続いただけで著しく低下してしまいます。
だからこそ、ご自宅や施設で診ていた患者様が入院された際、あるいは退院して再び地域へ戻られる際に、私たち歯科医師が途切れることなく関わり、しっかりと情報の引継ぎを行うことが、患者様の健康と生活を守る上で極めて重要なのです。
2. 歯科のない病院との「病診連携」に積極的に取り組む理由
しかしながら、入院患者様のお口のケアが重要であると広く認知されてきている一方で、すべての病院に歯科が併設されているわけではありません。厚生労働省の調査等を見ても、歯科系の診療科を標榜している病院は全国の病院全体の約2割にとどまるというデータがあります。
つまり、残りの約8割の病院では、入院中の患者様に対して専門的な歯科治療や口腔ケアを院内で完結させることが難しいという現状があります。国もこの課題を重く受け止めており、最新の診療報酬改定などにおいても、歯科標榜のない病院に入院中の患者様に対し、地域の歯科医療機関が連携して訪問診療に出向くこと(医科歯科連携)が新たに評価され、強く推進されるようになりました。
ゆうき歯科は、こうした病診連携に積極的に取り組んでいきたいと強く願っています。
入院中から私たちが介入し、病棟の医師や看護師、言語聴覚士の皆様と連携して口腔ケアやリハビリを行うこと。そして、退院前カンファレンスなどに参加し、退院後のケアマネージャーや施設スタッフの皆様へ、お口の状態や適切な食事形態の情報をシームレスに引き継ぐこと。 私たち地域の歯科医院が病院の「後方支援」としてスクラムを組むことで、患者様は安心して治療に専念でき、退院後もスムーズに「食べる楽しみ」を再開することができるのです。
3. ゆうき歯科が実践する「四位一体診療」~安全に食べ、話せるお口づくり~
私たちが病診連携を通じて提供したいのは、単に「虫歯を削って治す」「入れ歯を作る」といった狭い意味での歯科治療だけではありません。
ゆうき歯科は、患者様の人生の最期まで「食べる幸せ」を支える「食医(しょくい)」としての覚悟を持っています。そのため、当院の訪問診療では、【歯科治療】×【ケア】×【リハビリ】×【栄養】を踏まえた『四位一体診療』を実践しています。
【歯科治療】 虫歯や歯周病の治療、合わなくなった義歯(入れ歯)の調整や作製を行います。痛みを取り除き、しっかりと噛める「土台」を作ります。
【口腔ケア(衛生管理)】 歯科衛生士による専門的な器材を用いたお口の清掃、衛生的な状態の管理です。お口の中の細菌を減らすことで、命に関わる誤嚥性肺炎を予防し、全身疾患の悪化を防ぎます。
【摂食嚥下リハビリテーション(口腔機能管理)】 「よくむせる」「飲み込みづらい」といった機能低下に対し、お口や舌の筋肉を鍛えるトレーニング(体操やマッサージなど)を行います。「噛む・飲み込む・話す」力を維持・回復させるための、お口のリハビリです。
【栄養(食支援)】 どんなに素晴らしい治療やリハビリを行っても、お食事そのものが患者様の機能に合っていなければ意味がありません。管理栄養士などの専門職や多職種と連携し、その方の噛む力・飲み込む力に合わせた安全な「食事形態(きざみ食、ペースト食など)」や、栄養摂取の姿勢・方法をご提案します。
この四つの要素が掛け合わさって初めて、「安全に食べたり話したりできるお口づくり」が実現すると私たちは考えています。
4. 「生活支援」を見据えた医療を、地域の皆様と共に
お口の健康は、全身の健康の入り口であり、日々の食事や楽しい会話といった「その人らしい生活」の根幹をなすものです。ゆうき歯科の四位一体診療は、単なる医療行為にとどまらず、患者様お一人おひとりのQOL(生活の質)の向上、ひいては「生活支援」を見据えた診療です。
患者様が在宅から施設へ、そして病院へと療養の場を移されたとしても、私たちが「食医」として伴走し、多職種の皆様とシームレスなバトンパスを行っていく。それが、私たちが目指す地域医療のあり方です。
病院関係者の皆様、とくに歯科を標榜されていない病院の医師や看護師、スタッフの皆様。 そして、日々のケアに尽力されているケアマネージャーや介護施設の皆様。
「入院患者様の口腔ケアを専門職にお願いしたい」 「退院後の食事が心配で、スムーズに在宅の支援へ繋ぎたい」 「最近むせることが増えた入院患者様がいる」
そのようなケースやご相談がございましたら、ぜひゆうき歯科にお声がけください。私たちは皆様と同じチームの一員として、真摯に患者様の「生きる喜び」を支えてまいります。 対象エリアや訪問診療の流れなど、お困りの際は当院お問い合わせ窓口・LINEより、どうぞお気軽にご連絡ください。
共に力を合わせ、地域の皆様の笑顔と健康を守っていきましょう。